産地と特徴を知る

函館真昆布の種類

函館で採れる
高級品質の昆布
「真昆布」

北海道を代表する食材のひとつに昆布があります。

国内生産量の9割以上が北海道産、なかでも函館産はこのうちの約3割を占め、生産量・生産高ともに日本一を誇ります。北海道には10種類以上の昆布がありますが、津軽海峡から噴火湾にかけての函館市沿岸で採れる「真昆布」は、肉厚で幅広く、だしを取るのに最適です。これまで函館の「真昆布」は、「白口浜」「黒口浜」「本場折浜」という銘柄で認知されてきたため、その産地があまり知られていませんでした。

しかし、その品質から関西を中心に高い評価を得ています。函館市内の5つの漁協と市は、2017年から「函館真昆布」というブランド名で統一し、PR活動を行っています。これにより、函館の「真昆布」の知名度と認知度を向上させることを目指しています。

地域別の生産量の図
真昆布の産地の図
利尻昆布の産地の図
羅臼昆布の産地の図
日高昆布の産地の図
長昆布の産地の図

出典:日本昆布協会「昆布の学校」

「イカの街」として知られる函館市
生産量が一番多い水産物は「昆布」

函館市海産物水揚げだかの円グラフ
市政はこだて 2023.10号より

函館市では「市の魚」としてイカが知られていますが、実際には水揚げ量が最も多いのは昆布です。

左の円グラフでも示されているとおり、昆布の総水揚高は42.5億円といか類の2.5倍以上あり、函館市は生産量・生産高ともに日本一を誇ります。平成16年の戸井町・恵山町・椴法華村・南茅部町との市町村合併により、函館市は日本一の昆布生産地となりました。「函館の水産物」といえばイカを思い浮かべる方が多いですが、実際には昆布がこの地域の主力水産物です。

「函館真昆布」の
産地と銘柄

函館市で採れる昆布には、「三石(みついし)昆布」や「がごめ昆布」もありますが、主力は「真昆布」です。この「真」は品種を代表する呼び名であり、函館産の真昆布は肉厚で幅広く、上品でコクのある風味の澄んだだしが取れます。採取地によって「白口浜」「黒口浜」「本場折浜」という銘柄で流通し、特に関西の高級料理店では長年高い評価を受けています。これらの昆布は、だし引きや高級料理の原料として利用され、その品質は業界で信頼されています。

写真をクリックすると浜の風景が表示されます

「白口浜」真昆布

渡島半島東側(亀田半島)の南茅部から銚子岬までの沿岸が生息地で、大船、臼尻、安浦、川汲、尾札部、木直などが主な産地。栄養塩やミネラルが多くの河川から流れ込む地域で育つ昆布は、上品な味わいと澄んだだしを特徴とし、「白口浜」と呼ばれています。江戸期に松前藩が朝廷や将軍家に献上していたことから「献上昆布」とも呼ばれています。

「黒口浜」真昆布

渡島半島東側(亀田半島)の銚子岬から汐首岬までの沿岸が生息地で、椴法華、恵山、古武井、尻岸内、日浦、東戸井などが主な産地。寒流地域で育つ昆布は、風味豊かで澄んだだしを特徴とし、「黒口浜」と呼ばれています。塩分は僅かに高く、高級なだし昆布として評価されています。

「本場折浜」真昆布

渡島半島東側(亀田半島)の汐首岬から函館山に至る沿岸が生息地で、小安、石崎、銭亀沢、宇賀、根崎、函館が主な産地。暖流と寒流が混じる地域で水揚げされる昆布は、あっさりとした風味で澄んだきれいなだしを特徴とし、「本場折浜」と呼ばれています。沖採りと岸採りの2種類があります。

函館および
道南で採れる昆布

健康や美容に良いねばねば物質が豊富

「がごめ昆布」

主な産地:
函館周辺の沿岸
漁期:
夏~秋
引用:函館食ポータルサイト「おいしい函館」

北海道で採れる昆布

真昆布

産地
函館を中心に松前から室蘭までの沿岸
特長
幅が広く肉厚
結納品などの飾りにも使われる
用途
だし、塩昆布、おぼろ・とろろ昆布、佃煮、
バッテラ等

利尻昆布

産地
利尻・礼文・稚内を中心とした北海道北部の沿岸
特長
やや堅く澄んだ香りの良いだしがとれる
用途
だし、塩昆布、おぼろ・とろろ昆布等

羅臼昆布

産地
羅臼沿岸
特長
茶褐色で幅が広くやわら、香り高いだしがとれる
用途
だし、昆布じめ、おしゃぶり昆布等

日高(三石)昆布

産地
主に日高沿岸
特長
補足火が通りやすいため、調理しやすい
用途
だし、昆布巻、佃煮、おでん用の昆布等

長昆布

産地
釧路以東の沿岸
特長
文字通り10〜20mと長い
用途
昆布巻、佃煮、おでん用の昆布等

厚葉昆布

産地
釧路以東の沿岸
特長
幅が広く肉厚
用途
昆布巻、佃煮、酢昆布等

細目昆布

産地
北海道の日本海側沿岸
特長
幅が細く1年目に採取される、粘りが強い
用途
おぼろ・とろろ昆布、きざみ昆布等
出典:北海道漁業協同組合連合会HP

昆布は栄養成分においても特長があります

データは可食部100gあたり
[データ:日本食品標準成分表(八訂)]

「昆布」は、多くの栄養素を含む食品であり、3大栄養素の一つである食物繊維を含む炭水化物、日本人に不足がちと言われているマグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、ヨウ素などのミネラルも多く含んでいます。
また、「昆布」には、人体の機能を正常に保つ働きや体内の様々な代謝に必要な酵素の働きを補うために必要なビタミンも含まれています。

※真昆布(素干し/乾)可食部100g中の割合

食物繊維

(32.1g/100g)

昆布には、水溶性食物繊維の一種であり、「ネバネバ」成分であるアルギン酸やフコイダンが多く含まれており、便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。

マグネシウム

(530mg/100g)

人体に必要なミネラルの一種で、リンやカリウムとともに骨を形成するほか、体内の様々な代謝を助ける機能を持ち、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも役立っています。

ナトリウム

(2,600mg/100g)

人体に必要なミネラルの一種で、細胞外液(細胞の外の体液)の浸透圧を調整して、細胞外液量を保つ役割を持ち、他のミネラルの吸収を促し、カリウムとともに血圧を調整する働きがあります。

カリウム

(6,100mg/100g)

人体に必要なミネラルの一種で、細胞内液の浸透圧を調整して一定に保つ働きがあり、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。また、体内の余分なナトリウムを体の外に出しやすくする作用があり、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。

カルシウム

(780mg/100g)

人体に最も多く含まれるミネラルであり、骨や歯を形成します。ごく一部は、血液の凝固を促して出血を予防するほか、心筋の収縮作用を増し、筋肉の興奮性を抑える働きもあります。

(3.2mg/100g)

人体に必要なミネラルの一種で、赤血球のヘモグロビンに多く存在し、不足すると貧血を起こします。
鉄が不足すると、集中力の低下や頭痛、食欲不振などの症状や、筋力低下、疲労感といった症状も起こります。

ヨウ素

(200,000μg/100g)

人体に必要なミネラルの一種で、体内で甲状腺ホルモンを合成するために必要であり、このホルモンは身体の代謝をはじめとする様々な重要な機能を調節しています。
また、甲状腺ホルモンは、妊娠・授乳期に胎児や乳児の骨や脳が正常に発育するためにも必要です。十分な量のヨウ素を摂取することは誰にとっても大切ですが、乳児や妊娠中の女性では特に重要です。
ただし、過剰な摂取は有害な場合があるので、注意が必要です。

参考文献

お知らせ

臼尻漁港前の「食事処 公楽」さんに函館真昆布ポスターが掲出されていました

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南茅部高校「真昆布フォーラム」に参加しました(2024.10.23)

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「函館真昆布展」開催のお知らせ

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イオンレイクタウンmoriで開催の「北海道フェア」の「函館の食と観光PRブース」で函館真昆布をPRしました(2024.9.25)

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北海道教育大学附属函館小学校の皆さんに「函館真昆布」を紹介しました(2024.8.23)

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「函館真昆布」ポスターが掲出されていました(2024.9.16)

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「はこだてカルチャーナイト2024」に参加しました!(2024.9.20)

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「はこだてグルメサーカス2024」にて函館真昆布の魅力をPRしました(2024.9.7-8)

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函館港湾夜景と函館真昆布!はこだてカルチャーナイト2024のご案内

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京都の昆布屋「五辻の昆布」を訪問しました(2024.7.22)

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