最高級の「献上昆布」
松前藩が朝廷や将軍家に上納していた、最高級の昆布は「献上昆布」として知られ、江戸幕府による蝦夷地の調査報告「蝦夷嶋奇観」の中でも「天下昆布」「昆布の絶品」と述べられています。
1717年
松前蝦夷記
1717(享保2年)の幕府巡見使の記録といわれる「松前蝦夷記(まつまええぞき)」(別名「松前蝦夷地覚書」)には、「尤献上昆布は志野利浜宇加と申処の海取分能ゆゑ取申由」とあり、意訳すると「献上昆布は、志野利浜から宇賀で採れるものの品質が良いので、そこから採る」とある。
出典:
「南茅部町史」上 第6編 第1章 第1節 史書と昆布 松前昆布
昭和の献上昆布
1717(享保2年)昭和11年、陸軍特別大演習に昭和天皇北海道行幸に際し、尾札部漁業協同組合が元揃昆布の上納を命じられた。村中挙げて謹製に奉仕して大役を果たした。
現代の献上昆布
南茅部(現在の函館市南茅部地区)で採れる白口浜真昆布(函館真昆布)は最高級の品質であり、松前藩が朝廷や幕府に上納していたことから『献上昆布』といわれていました。
現代でも、南茅部産の天然物の白口浜真昆布のうちでも厳選された真昆布を使ったものが「献上昆布」の名を冠した商品として販売されています。