函館で採れる昆布は
様々な形で
食卓へ届けられます
だし昆布
10種類以上ある北海道の昆布の中でも、津軽海峡から噴火湾にかけての函館市沿岸で採れる真昆布は、肉厚で幅が広く、だしを取るのに最適な昆布です。
真昆布のだしは、甘みのある上品な味で、コクがあり、旨みがまろやかで、色が澄んでいることから、日本料理には欠かせないものです。
だしの取り方は、煮出す方法のほか、手間の掛からない簡単な方法としてピッチャーなどに冷水と昆布を入れて「昆布水(昆布の水だし)」を作る方法もあります。
だしを取った後の昆布をそのまま捨てるのは勿体ないので、煮込んで佃煮にするとか、自家製塩昆布などに再利用するも一考です。
おぼろ昆布
昆布製品に「おぼろ昆布」と「とろろ昆布」がありますが、醸造酢などに浸し柔らかくしてから加工するのは同じですが、その後の工程の違いによる名前の違いであり、昆布の種類が違うわけではありません。 ただし、加工方法が違うことにより、見た目や味わい・風味などが異なります。 「おぼろ昆布」は、多くは、昆布1枚1枚の表面を職人が手作業で削っていくことから、薄くて透き通るような仕上がりになります。 因みに「とろろ昆布」は、昆布を何枚も重ねてプレスして固めたものを機械で削り出して仕上げます。
昆布巻き
昆布は、「よろこぶ」との語呂合わせから縁起物として扱われ、「養老昆布(よろこぶ)」と書いて不老長寿の願いが込められたり、「子生(こぶ)」という当て字をすることで、子孫繁栄の意味が込められることもあり、ハレの日の料理の食材としてよく使われています。ニシンもまた縁起の良い食べ物とされることから、おせち料理にはニシンの「昆布巻き」が入っていることが多く、語呂合わせで「二親(にしん)」とも書き、子宝成就や子孫繁栄の願いも込められています。なお、昆布で巻く魚は主にニシンやサケですが、地域や家庭によってはシシャモやチカの素焼きなど様々です。 出典:農林水産省「うちの郷土料理」より抜粋、一部改変。
昆布を使ったお菓子
昆布は、食物繊維、ミネラル、ビタミンなどの健康に良いといわれる多くの栄養素を含む食品であることから、「あめ」「せんべい」「クッキー」などのお菓子の原材料として使用されています。
写真の「真昆布クッキー」は、南かやべ漁業協同組合直販加工センターが販売している商品であり、「白口浜真昆布」の若葉を練り込んで作られたクッキーです。
また、北海道銘菓のひとつである「わかさいも」には、焼きいもの繊維感にこだわり北海道産の「きざみ昆布」が、北海道産の大福豆を主原料とした白餡といっしょに練り込まれています。
参考文献:「株式会社わかさいも本舗」Webサイト
(「わかさいも」について同サイトより抜粋。一部改変)
昆布の加工を行う職人が居ます
おぼろ昆布作りの職人技が見られる昆布屋さん梶原昆布店
昆布の栄養成分は医薬品や化粧品等にも使われています
「昆布」は、健康に良い多くの栄養素を含む食品ですが、アルギン酸やフコイダンなどの食物繊維が多く含まれており、これらが昆布のネバネバ成分のもとであり、便秘予防などの整腸効果、血糖値やコレステロール値の抑制などが期待されるため、多様な製品の中間素材として注目されています。
また、「昆布」の色素成分であるフコキサンチンには、アンチエイジング、肥満予防、抗酸化の効果が期待されています。
函館マリカルチャープロジェクトでは、糖尿病予防関連活性や発がん抑制効果等の機能性評価を行い、真昆布からの新規中間素材の開発に関する研究も行っています。